さぁ、家を建てよう! どこに、だれに相談する?

殆どの人が、人生に一度きりしかない「マイホーム建築」

いざ建てるという段階になって、まずどこに相談に行けばいいのかわからない人は多い。

一級建築士の私が思う、マイホームを建てようとする人が行う行動のパターンをいくつか挙げて、その流れをご紹介しながら、各々の長所、短所をまとめてみようと思います。

ザ・王道「ハウスメーカー」

上にも既に書きましたが、王道のハウスメーカー

私が想像するに、マイホーム建築をしようとするほとんどの人が初めに行く所は、ハウスメーカーの展示場ではないでしょうか?

日本全国にある、大通り沿いにあるよくあるモデルハウス

ご夫婦で気に入ったテイストのハウスメーカーのいくつかへ行き、

アンケートに記入して、感じのいい営業マンから説明を受けながら内見

そして、後日プラン作成+見積が届く…

こんな感じだと思います

実は私も働いていた経験があります。建築士として

殆どのハウスメーカーは、モデルハウスを持っていたり、コミュニケーション能力の高い営業担当がいて、初めての自宅建築で戸惑う人々にとっては、最もアプローチがしやすいのです

なぜなら、家作りのシステムがちゃんとしているので、設計から銀行借り入れまで

なんでも担当営業マンがお手伝いしてくれるから

要は、「敷居が低い」のです。「誰でもウェルカムです!」みたいな

実際、1級建築士を持つ私だって、自宅建築の際に真っ先に行ったのはハウスメーカー

だって、フルタイムで仕事をしながら、当時小学生+未就学児を抱えて、自分の家の設計をする時間の余裕もないし、借入の事で銀行へ行ったりするのですら、有給休暇を利用しながらやっとの事でこなしていたから。

夫と二人でいくつかのハウスメーカーへ行き、

うんざりするほどアンケートの記入をして、

そして、数社の営業マンから、再度会いたいと連絡があり

見積もりと、プランの提示をされる

そんなことを何度か繰り返して

疲れました…

ハウスメーカーは、手続きがシステム化されていて、楽そうだと思っていたら

意外に疲れる事の連続でした

なぜか?

私なりに考えた理由としては

ハウスメーカーの営業マンは、お客様のためではなくて

会社(自分)のために頑張っているから!

「まさか! 私が出会った〇〇ハウスの営業のAさんはとても良い人で、私達の相談にも親身に乗ってくれたよ。そんなことはない」とお思いでしょうが

普通に考えて、一人の営業マンでアプローチするお客さんは沢山います。

効率よく受注を取るためには、お客さんにはできるだけ「良い人」になります

信頼を得るためです。

「受注」という目標のためなら、多少体調が悪くても、客の性格に難があっても

「良い人」でいる事を保ち続けられるのです。

それから、ハウスメーカーのもう一つの「欠点」があります。

それは、[膨大な経営経費]

考えてみてください。

地方都市に建つ、モデルハウス

大通り沿いの高い地価の敷地 —(高い土地代)

吹き抜けや大きなテラスのある、夢のようなスイートホーム —(高すぎて庶民には無理なプラン)

そんな、モデルハウスを、建てて → 維持管理 これだけでどれだけの経費が掛かっているでしょうか?

沢山の広告

ネットやTVコマーシャル、

街中や駅での大きな看板、

新聞、雑誌の広告

上記の広告代は相当なものです

ちなみに…、全国配布の新聞の全一面広告は、ウン千万と言われています

たった一日でですよ…

上記、モデルハウスや広告費はどこから来ているでしょうか?

それは…、お客さんからです。

正確に書けば、ハウスメーカーの建築費にはこれらの経費が加算されているのです。

こだわり派にはぴったり!「設計事務所に相談」

設計事務所は、敷居が高いという方は多いです。

確かに、私は1級建築士ですが、私でも設計事務所へ問い合わせの電話を入れたり、メールを送ったりするのには勇気が要ります。

設計事務所を運営している建築士というのは、ある意味「アーディスト」の一面があり

気難しそう、というイメージがあります。フレンドリーなハウスメーカーの営業マンとは「真逆」のイメージですね。

でも、実際にはお話しやすくて、本当に施主の事を考えて設計している方は多いです。

ここからは、設計事務所の「欠点」を書きます。公平に書かないといけないですからね。

ごく稀に、建物を「自分の作品」として捉えている方は、施主の意向よりも自分のテイストを優先する方がいるのも否めません。

ですので、自分の好みに合っている人を探す事にエネルギーを使った方が良いでしょう。

信頼する美容師を探すのに似ていると、私は思っています。

テイストが一致していれば、ある程度「おまかせ」して、自分の想像以上におしゃれで機能的な家に仕上がる

でも、その反面、合わないとお互いの「すり合わせ」が大変ですね。

個人的には、「この人とは合わないな」と思った時は、お断りしても良いのではないかと思っています。家作りは長い道のりであり、ほとんどの人が一生に一度だと思っていいでしょう。

次に挙げるのは、プロセスを把握しづらい事です。

ハウスメーカーのようにシステム化されていないので、考えたり決断したりを繰り返します。

  1.  設計図を作成 
  2.  何社かの施工会社(工務店)に見積もりを取る 
  3.  数社を比較して施工会社を決定

ハウスメーカーが、既製品の洋服なら

設計事務所は、オートクチュールの服という捉え方です。

ハウスメーカーは、モデルハウスを参考にすれば大体どんな建物が出来上がるのか、想像が容易ですが、設計事務所で図面からとなると、

構造は、木造? 鉄骨造? 鉄筋コンクリート造?

床はフローリング? どんな木材?

室内ドアは既製品? 引き戸? 開き戸?

お風呂は、タイル貼り? それとも システムバス?

キッチンは? オーダーメイド? 大手メーカーのもの?

これらはほんの一部であり、大小さまざまな決断を要します。

でも、判断するときに建築士が一緒に考えてくれるので、理解できる範囲の決断となりますので、ご安心を。

私だって、こういうの考えるのは楽しい方なのですが、

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